■アービトラージは価格差に注目した手法

通常、仮想通貨の取引は1つの取引所で行うものです。
その取引所のチャートをチェックしながら相場が安いときに買い高いときに売り利益を増やそうとします。
ですが世界には様々な取引所が存在し、複数の取引所を利用してはいけないという決まりもありません。

一方、仮想通貨の世界では取引所によって取引高や価格が全く異なることがしばしばあります。
例えばある取引所で90万円で売られているビットコインが他の取引所で92万円で売られているということも珍しくありません。
この価格差に注目した取引手法がアービトラージ(裁定取引)なのです。

先述した例でアービトラージの具体例をみていきましょう。
取引所Aでビットコインが90万円で売られ、取引所Bでは92万円で売られています。
このとき、まずはAで1ビットコインを買いBで1ビットコインを売るのです。

その後、価格が変動し取引所Aは90万円のまま、取引所Bは91万円となったとします。
そしたら今度はAで1ビットコインを売りBで1ビットコインを買いましょう。
買いを「資金のマイナス」売りを「資金のプラス」としたときの各取引所での結果は以下のようになります。

・取引所A
-90 + 90 = 0

・取引所B
+92 +(-91) = +1

取引所Bで1万円の利益を出すことができました。
今度は取引所Aが90万円から95万円になり、取引所Bが92万円から96万円になった場合を考えてみましょう。

・取引所A
-90 + 95 = +5

・取引所B
+92 – 96 = -4

利益の合計
5-4 = 1

となり、価格は5万円も変動しているのに先ほどの例と同じように1万円の利益という結果になりました。
なぜこのような結果になるのかというと、この取引手法はあくまでも「AとBの価格差」に依存しているからです。
ここで挙げた例をまとめると「AとBの価格差が2万円の場合、2万円以下に価格差が縮小すれば利益を上げることができる」ということになります。

特に仮想通貨の世界ではビットコインを始めとしてアルトコインを含めても取引所間での価格差は激しく、アービトラージには可能性があるように思われるかもしれません。
ですがリスクについても考えておきましょう。

■あくまでも理想の話

アービトラージは急騰や暴落にも強い手法です。
複数の取引所の価格差で利益が決まるわけですから100万円のものが100円になろうとその逆があろうと、仕掛けた時点での価格差以下に収斂してくれれば利益を出すことができます。
といってもこれはあくまでも理想的な世界での話といえるでしょう。

アービトラージが成立する前提として「注文がすぐに入れられる」という点がありますが、これは現実では有り得ません。
取引所では急騰や暴落が起こるたびに全く注文が入らないという現象に見舞われるのです。
仮想通貨の世界は特に値動きが激しいので、いつでも注文が通るわけではありません。

そのあたりを加味してアービトラージについて考えてみるとそのリスクの大きさが分かります。
例えば取引所ABの価格差が十分に開いたと見てある時点で取引所Aで買いをするとしましょう。
その後すぐにBに売りを入れようとするのですが、何とBが暴騰してしまいます。
注文が殺到しBでの売りはなかなか通ってくれません。
最早この時点でアービトラージは成立せず、Aの買いをころあいを見ながら売ったほうが利益が出せるはずです。

また、既にポジションを確定し終えた後で価格差が縮まったとみて売買しようとするときにもこうした現象に遭遇する可能性は十分にあります。
そのとき価格差が収斂するどころか乖離してしまった場合、かなりの損益を抱えることになるはずです。

それからアービトラージで得られる利益は基本的に少なく、大量の資金を投入しなければあまり意味は無いでしょう。
例えば100万円を投入できれば10万円程度の価格差を狙えるチャンスもあるかもしれませんが、1万円を投入しただけでは1000円程度の利益にしかならないわけです。
アービトラージは資金力が豊富でいつでも決済できる環境を前提にした手法なので、一般投資家からすればなかなか実践するのは難しいでしょう。

■シグナル配信の信頼性

シグナル配信とはいわば情報屋から伝えられる有益な情報配信サービスとなります。
仮想通貨界隈における様々な情報を集めているところが会員へと有益な情報を配信するわけです。
そして会員から定期的に会費を徴収してサービスを継続しているとのこと。

ただこういったサービスへの信憑性には疑問が残ります。
なぜなら自分の資金でその有益な情報どおりに投資していれば利益は十分に出せるはずだからです。
原理的に成立するかどうかに疑問が残るサービスなので、利用するときには念を入れて下調べしてからにしましょう。

■マイニングによる利益を得る方法

ビットコインといえばマイニングという単語を聞いたことがあるかもしれません。
これは演算によってビットコインの取引記録の作成作業に協力するということを意味しています。
協力する代わりに報酬を得ることができるというわけです。

ですがこのマイニング、参加したからといって必ず報酬を得られるわけではありません。
報酬は取引記録を作るために必要なナンスという一意の数字を最も速く求めることができたマイナー(マイニングをする者)に付与されるのですが、個人が参入するのは時期を逸しているといえるでしょう。
既にマイナー用の専門的なマシンを大量に運用している企業も複数あるほどだからです。

ただビットコインほどメジャーではない通貨なら競争相手も少ないはずなのでマイニングにより通貨を得る事はできるかもしれません。